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埼玉にあるNPO法人、心のケア・とまり木のブログです。何気ない日常の出来事から心理学、カウンセリングについて綴ります。
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無知の姿勢で聴く

1月17日、今月もとまり木の学習会が開かれました。今月のお題は「無知の姿勢で聴く」についてです。

 

毎月のとまり木の学習会ではお題を選定してそれについて参加された皆さんの忌憚のないご意見をいただきもう一度カウンセリングや傾聴さらに日頃の人とのコミュニケーションを見つめなおすという時間を設けています。

 

まず「無知の姿勢(=not knowing)」とはなんぞや・・・

 

人は誰しも素の状態で話を聴くと過去の自分の経験や、それまで出会ってきた人たちと関連づけて人の話を聴いてしまう特性があるのだそうです。

 

この様な素の状態で人の話を聴くと、「これはこういうことだ!」と話を先読みしてしまい、人の話を決めつけて聴いてしまいがちになってしまいます。

これでは話し手の真意が伝わらないどころか、まったく見当違いで話を聴いてしまいかねません。

 

人の話を聴くときはまずこの「無知の姿勢で聴く」これが必要になってきます。偏見や思い込みを排除して、相手のこと、相手の話を知らない、初めて聴いたという姿勢で聴くことが重要になります。

 

ここである参加者から「知らないと言ってもそれまで聴いていたその人の情報までは知らない状態にする必要はないよね」とご意見が・・・・、


おっしゃる通り!


実際、何度も会っているような間柄でいつも相手の話を「知らない」では「人の話を聴いてるの?」という事になってしまいます。

 

重要な事はしっかり記憶にとどめておいて、あくまでも「初めて聴きました」という心構えで聴くというのが無知の姿勢の本当の意味なのかもしれません。

 

人は誰しも、初めて聴くことには新鮮な気持ちで興味を持ち、わからないことは質問までして、真剣に相槌を打って聴こうとします。

 

そのような姿勢で聴いてくれる人とは自然と口が軽くなり、心を打ち解けやすくなりますよね。

 

反対にこんな意見も、


「怖いのは心を打ち解けていくと、お互いに「慣れ」が生じてお互い手抜きをしてしまうよね。」との事、「皆まで言わなくてもわかるよ。」というヤツです・・・


たしかに!

 

本当に皆まで全てわかっていれば問題ないのですが、もしそこに少しずつ少しずつ真意のずれがあったとしたらどうなるでしょう。そのずれは時が経つにつれ、いずれ大きなずれとなってしまいます。

 

カウンセリングではもちろんのこと、日常生活においてもこのずれはとても大きな問題となってしまいます。

 

このような事にならない様、信頼しあえる間柄になっても、たまにはお互い「無知の姿勢」で話を聴き、新鮮な間柄に戻れる様、お互いの関係性のメンテナンスは必要ですね!

 

さて最後に「この無知の姿勢で聴く」のは日常生活のおいては、大変難しいことかなと思いますが、ふとした時に思い出して、ふと実践してみるのもいいのかもしれません。

 

大切なあの人の何か新たな事に気づくかもしれませんよ。

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